北海道を襲った暴風雪。車を捨てて歩き始めた父は、猛烈な地吹雪の中、たった一人の娘を守ろうと、10時間にわたって覆いかぶさるように抱きしめながら体温を奪われ命を落とした
オホーツク海側を中心に吹き荒れた記録的な暴風雪による8人の犠牲者。オホーツク管内湧別町東の道道で車が立ち往生し、行方が分からなくなった岡田幹男さん(53)は、長女の夏音さん(9)を抱きかかえるようにして力尽きていた。子煩悩な父親は猛吹雪の中、最期のぬくもりで娘の命を守り抜いた。
仕事の間はしばしば預けていた湧別児童センターに夏音さんを車で迎えに行き、自宅に戻る途中に暴風雪に襲われた。
最低気温氷点下6度、最大風速15メートルの暴風が吹き荒れる中、父親は幼い娘の命を守り抜いて息を引き取った。
漁師、岡田幹男さん(53)が小学3年の長女夏音(なつね)さん(9)を両手で抱きかかえながら、うつぶせに倒れている
岡田さんは2年前に妻を亡くし、夏音さんと2人暮らし
湧別漁業協同組合によると、岡田さんは2年前に病気で妻を亡くし、夏音ちゃんと2人暮らしをしていた。両親も既に他界しており、家事と仕事を男手一つで両立。40代半ばになってできた娘を宝物のように大切にしていたという。
雪の中、岡田さんは長女で小学3年の夏音(なつね)さん(9)を抱いて守った。夏音さんは父の胸の中で泣き続けていたという。
岡田さんは一昨年に妻を亡くした。夏音さんと2人で暮らしながら、ホタテやカキなどの養殖をしていた。近所の人などによると、岡田さんは夏音さんと一緒に朝ごはんを食べるために漁の時間を遅らせ、夏音さんの好きなハンバーグをよく作っていたという。近くの商店主の男性(63)は「一人娘のためにひな祭りのケーキを予約し、一緒に祝うのを楽しみにしていた」と話した。
北海道湧別町で暴風雪の中、長女を守るように覆いかぶさり、凍死した同町の漁師、岡田幹男さん(53)の知人が地元消防に通報した際、別の救助作業で隊員が出払っており、現場からさらに約7キロ離れた地点から他の救助隊が出動していたことが4日、地元消防への取材で分かった。
夏音さんは顔や手に軽い凍傷を負ったものの、命に別状はないということです。
警察によりますと、岡田さんは2日午後4時ごろ、知人に携帯電話で「吹雪で車が動かなくなったので車を置いて避難したい」と伝えたあと、近くの別の知人の家に向かっていたということです。
警察は、岡田さん親子が車から出て歩いて避難先の住宅に向かう途中、農業用倉庫の前で動けなくなったと見て、当時の状況を調べています。
この記事を読んで、奥さんを亡くされて、親一人子一人で娘さんを宝物のように大切にしていたという岡田さん、すばらしいです。
雪の中、岡田さんは小学3年の夏音さんを10時間も抱いて守られた。娘さんだけはどんな事があっても助けるという、親子の深い絆と行動が、本当にすばらしいと思います。涙がとまりません。
夏音さんも父の胸の中で泣き続けていたという状況を想像すると、胸が痛くなります。
娘さんも本当につらいでしょうが、お父さんの分まで頑張って生きてほしいと思います応援しています。
岡田さんも、きっと天国から見守ってくれてると思います。
親が子供を、子供が親を殺してしまうこの時代、悲しいですが感動する話です。
ご冥福を心よりお祈り致します。